2018年の秋にSASUKEのオーディションに出場していましたので、その経験を短編コメディエッセイにまとめました!
SASUKE(サスケ)という番組をご存知でしょうか?日本のテレビ番組で、選手がリアルに様々な障害物を乗り越える、いわゆる“筋肉番付”の一種です。
そんなSASUKEに出場するためのオーディションに挑戦し、驚くべき経験をしました!!
今回はその経験についてお伝えしたいと思います。
コメディ記事シリーズはこちらです!
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第1話 アントニオ猪木(偽)とサスケ君(真)
SASUKE担当の方から、オーディション参加依頼の電話があったのが、2週間前でした。
その後、メールが届きまして、2018年10月8日に大阪のなんばでオーディションが開催されるとのこと!
ぼくは、住んでいる鳥取県からSASUKEのオーディションのために実家の神戸に帰省したのです。
子供のころからSASUKEが大好きで、ミスターサスケ山田さんと野球場で出会い、
グーグルマップで知った山田さんの練習場に足を運ぶほどのぼくは、このオーディションに並々ならぬ思いを込めていました。
そして、決戦の10月8日がやってきます…
会場は「なんばカルチャービル」ということで、なんば駅に降りてから目的地に向かいます。
すると、なんば駅の改札で、明らかにSASUKEに出場しそうな方を発見したのです。
その顔つきはまるで、アントニオ猪木。
しかし、身長は小さめです。
彼は、改札を通り、周囲をキョロキョロしたあと、
駅員に「すみません。なんばカルチャービルはどこですか?」と聞いていました。
なんばカルチャービル
そう、そこはSASUKEのオーディション会場です。
ぼくは、自ら会場を探すのが面倒になったので、
小さなアントニオ猪木についていき、会場まで連れて行ってもらうことにしました。
ミニアントニオ猪木に対して、5mほどの距離をとりながら尾行します。
しかし、アントニオ猪木(小)、全く場所がわかっていなかったのです。
道に自信がないようで、後ろを振り向いたり、右往左往しています。
アントニオ猪木(小)が右往左往するということは、彼を尾行するぼくも同じように右往左往してしまいます。
そして、目が合うぼくら二人。
こうして恋が…
生まれません。
ぼくは、尾行しているのがバレつつあったこともあり、彼に見切りをつけ、自力での到着を目指します。
グーグルマップを利用したこともあり、すんなり目的地まで到着したのでしたが、尾行することによってアントニオ猪木(小)と目が合うことができたのでとても良かったです。(ホモかな?)
目的地のビルの前では、カップルいちゃついていました。
「なんやなんや」と横目で一瞥したぼくですが、なんと彼氏はSASUKEオーディションに参加するようなのです。
可愛い彼女からの見送りを受けたイケメン彼氏。
ぼくは、そんな彼と、エレベーターで顔を合わせてしまったのです。
同じSASUKEオーディション参加者とはいえ、可愛い彼女の見送りを受けた目の前の男に対して、
ぼくは、彼女もいないひ弱な塩顔。
無力さにうちひしがれつつも、リア充に負けてたまるか、という闘志は煮えたぎっていきました。
エレベーターから降りると、関係者のワッペンをつけた地味な青年に、待合室の中へと案内されました。
待合室の中には、オーディション参加者たちが所狭しとひしめき合っています。
ゾゾタウンの社長っぽい人。
スパイダーマンの服を着た塩顔。
床に横たわるドリュードレッシェル。
バスケットマン。
陸上選手。
いかにも体力だけが取り柄ですという顔をした人。
野性味溢れる風来坊。
原色だらけの強烈な服を着た中性顔で金髪のカラフル野郎。
ぼくもそのメンバーの中に混じり、来たるべき決戦の刻を待ったのです。
5分後。
ぼくは目をつむって精神集中をしていましたが、前方のざわつきが気になってしまいます。
目をカッと見開くと、視線の先は、金髪のカラフル野郎が、可愛い女の子といちゃついていたのです。
2人は初対面のようでしたが、カラフル野郎の柔和な雰囲気を女の子は気に入っているようです。
「ここをどこやと思ってるねん!いちゃつかんとSASUKEに集中しろよ!」
そう叫びたい気持ちがありましたが、その気持ちは胸の奥にしまいます。
25歳にして、嫉妬心を抑える術を会得したのです。
モテない男の僻みでしかありませんが、怒りのエネルギーは溜まるばかりでした。
その2,3分後、アントニオ猪木(小)が待合室に到着します。
彼は室内に入ってもキョロキョロとしていました。
あのがっつりとした体に似合わないキョロキョロが妙にかわいらしいのです。
さて、これで役者は揃いました。
その後、関係者からオーディション概要のアナウンスがあり、参加者のうち3分の1ほどの20人が上のフロアへ移動しました。
上のフロアの一室に入ると、そこには、腕立て伏せ用の四角い箱が20個ほどおいてあります。
そして、目の前には3人のおじさんたちが座っています。
右から、プロデューサー、構成作家、サスケ君…
ん?
もう一度確認しましょう。
プロデューサー、構成作家、サスケ君…
サスケ君…?
そう、サスケ君なのです。

完全制覇を成し遂げたあのサスケ君が目の前にいるのです。
「サスケ君だ!」と、声を上げようとしましたが、周りの人は誰も気付いていないようなので、ぼくは自信がなくなってしまいます。
「彼は本当にサスケ君なのか?完全制覇を成し遂げたそんな凄い人が目の前にいる??」
そんな疑問が胸の中にたまります。
その後、プロデューサーがオーディション方法を説明してくれたのですが、その際に、こう告げました。
「みなさんは気付いていないようですが、今日はサスケ君も来ています!」
やはり、サスケ君でした。
遠くから見ても、近くから見ても、サスケ君はサスケ君だったのです。
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第2話 全身の血が滾る…試験開始!
プロデューサーはサスケ君について、このように説明しました。
「サスケ君こと森本君は、大阪のオーディションには、よく見学に来てくれます。
参加者から刺激を受けるということです。
しかし、オーラがないというか、みなさんあまり気付いておられないですね」
その後、サスケ君は、テレビで見るのと変わらないさわやかな笑顔で、ぼくらに激励の言葉をかけてくれました。
続いて、プロデューサーはオーディションの選考方法について、説明します。
「まず、各自、カメラの前で、30秒の自己紹介をお願いします。
その後、腕立て伏せを100回してもらいます。
ちなみにですねー。
腕立て伏せとSASUKEは何の関係があるんだ?と、よくツイッターで叩かれています」
参加者は無言で聞いていると…
プロデューサーはこうつっこみます。
「今のとこ、笑うところですよ~?」
そして、参加者も笑みをこぼして、和やかな雰囲気になりました。
プロデューサーが言うところには、
腕立て伏せ100回は、できるかできないかが合格の判定基準ではない。
かつてオーディション参加者が本番で、そりたつ壁を登り切れず、諦めてしまう人がいた。
そういう絵面は求めていない。
諦めない気持ちをみたい!
とのことなのです。
そういった趣旨の説明を受けたあと、自己紹介の時間が始まります。
カメラマンが参加者の前に移動して、カメラを回します。
そして、30秒の自己紹介をするというのです。
これを参加者全員が行います。
自己紹介のトップバッターは、背の高く筋肉質な青年でした。
彼は、カメラが回るやいなや、
振り付けを交えながらこう叫びました。
「腹筋!背筋!ぼく○○!」
一瞬、空気が凍る会議室。しかし、彼はインパクトを残すという意味では正解でした。
その後も、個性的な面々の自己紹介は続きます。
スパイダーマンの服を着たUSJのスタントマン
毎朝20キロ走って、昼と夜はジムのプログラムをこなすパワフルな女性。
弟の結婚式を断ってまで、今回のオーディションに参加した人。
子供からの直筆メッセージが書かれたシャツを着ているお父さん。
そして、ぼくの自己紹介の時間がやってきました。
ぼくは、ここで、尊敬する山田勝己さんへの思いを熱く叫びました。
小学校の頃、グリーンスタジアム(現ほっともっとフィールド神戸)で、
大好きなSASUKEのヒーロー・山田勝己さんに会ったこと
ビールを売っていた山田さんに、ぼくは大興奮で近づいて握手をしてもらったこと
その後も山田さんへの愛はおさまらず、ついにグーグルマップのストリートビューを駆使して、加古川にある山田さんの練習場を探し出し、実際に訪れて対面したこと…
情熱が伝わったかはわかりませんが、とにかく叫びました。
全員が自己紹介を終えたあと、ついに腕立て伏せが始まります。
スピーカーから太鼓に合わせて回数が読み上げられていくので、それに合わせて腕立て伏せを行う形式でした。
始まりの合図を待つ間でしょうか、
自分の全身の血が滾るのを感じました。
そして、心臓の鼓動が早くなっていきます。
これだ。
そうだ、これだ!!
ぼくが描いていた人生だ。
社会人になってから失っていたこの高揚感を求めていたんだ。
そして、頭の中に、音楽が流れます。
闘いの詩 / THE NEUTRAL
Get Down! Get Down! 闘いの時刻
脆弱な心のままに
Go to right now! 全て賭けて
護るべきものがあるはず
体中に漲る力、そして、太鼓の音が鳴り響き、全員が一斉に腕立て伏せをスタートさせました。
いーち
にー
さーん
このあたりは余裕です。
顎を当てるストッパーが少し高いこともあり、余裕すら感じられていました。
家で行うときはせいぜい30回程度が限界なのですが、
今回は、50回までは軽々と到達しました。
いける、いけるぞ!
体中の血流が流れ、魂が揺さぶられる、
久しぶりの感覚です。
かつてもこういう場面はありました。
野球の試合でチャンスの場面に打席に立つとき、
人前でギターを演奏し、歌うとき、
マカオのカジノでブラックジャックに興じるとき。
ぼくはそういう時間が大好きでした。
緊張、情熱、不安、高揚感、全てが入り交じった感覚が…
まさしくZONEという感覚なのかもしれません。
しかし、そんなZONEの状態も虚しく、腕の限界はやってきました。
55回を越えたあたりでしょうか。
腕が曲がりづらくなってきたのです。
しかし、こんなところで終わるわけにはいきません。
なんとしても100回を達成し、SASUKE本戦に出場するのです。
気持ちとは裏腹に腕は限界を迎えつつありました。
60回を越えるころには、腕が震え出します。
さらに、足のソックスは滑り、体のバランスもとれません。
70回あたりではもう、回数カウント通りに腕立てをする力は残っていませんでした。
しかし、なんとか食らいつくように、1回でも多く腕立て伏せを続けます。
体勢を変えて、体をくねらせながら、1回でも多く、1回でも多く。
限界、
限界なのか。
限界という言葉が脳裏に浮かびます。
けど、膝をつくことだけはしたくなかったのです。
「うおぉ!!!」
ぼくは叫び声をあげます。
最後はもう腕の力ではなく、気力を振り絞るしかないのです。
最後まで、
最後まで戦う姿勢だけは見せなければならないのです。
100…
100回のアナウンスと同時に、顎がストッパーに触れたとき、
ぼくは床に倒れ込みました。
体重を支える力は腕に残っていなかったのです。
小学校の頃から腕立て伏せは行っていますがここまで疲れ果てたことは初めてでした。
腕が動かないだけではなく、腰や背中、体中がミシミシと痛いのです。
ぼくの今日までの腕立て伏せは、
限界まで行っているわけではなかったのです。
腕立て伏せでも、限界を本当に越えれば、ここまで疲労するのです。
限界を超えるとは、こういうことか、と思った瞬間でした。
ここまで疲れたのは、小学校、中学校の頃の野球の練習くらいでしょうか。
限界を超えた、久しぶりの心地良い運動後の疲労でした。
ドキドキの結果発表は、腕立て伏せのあと、すぐに行われました。
プロデューサーは、合格者の番号を順番に呼んでいきます。
自分の番号が飛ばされて、
「19番さん。これで、以上です」
その言葉が耳を通り抜けたとき、「ああ、終わったんだな」
という喪失感が生まれました。
腕立て伏せで合格したのは約3割ほどでした。
選ばれた3割は面接に進むようです。
プロデューサーの話では、関西での応募総数は1300人ほどで、今回は書類選考通った約70人オーディションに参加してもらったとのことでした。
そして、九州地方の募集は応募総数が少なく、九州地方なら、書類選考なしでいきなりオーディションに挑めるとおっしゃっていたのです。
プロデューサーの総括が終わり、参加者は解散となりました。
ぼくはここで、完全制覇者のサスケ君に話しかけて、あくsy卯をしてもらいました。
サスケくんはそのとき、ぼくにこう言ってくれました。
「腕立てのとき、靴下滑ってましたよね?(笑)
けど熱意は感じましたよ。次は頑張ってください」
感無量でした。
大阪でSEをしており、知力も体力も備えた完全制覇者サスケ君。。
そのレジェンドに会えて、激励の言葉ももらえる。
そんな嬉しいことはありません。
明日からも肉体と精神の鍛錬を続けていこう、そしてSASUKEに出場したい、そうと思いました。
オーディションの選考基準は不透明なままです。
100回できたのに落ちたスタントマンがいたりします。
しかし、熱意を伝えるしかありません。
そして次回のSASUKE予選では、
腕立て伏せの時はソックスを脱ぐ。
大阪ではなく福岡予選に参加する
など、オーディションへの対策も考えていこうと思います。
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第3話 タンクトップと野球少女と華奢なぼく
SASUKEのオーディションは、落選に終わった。
失意、達成感、疲労、様々なものを抱えながら、ビルを後にした私の目の前にが、ある一人の男がタバコをふかしていた。
はちきれんばかりの筋肉、それを限界まで見せるための服装・タンクトップ、健康的に焼けた素肌。
彼がオーディション参加者であろうことは容易に想像できた。
私は彼に話しかけた。
そうして、今日のオーディションの感想を話し合う。
少し時間が経つと、ビルの中から、二人の男女が出てきた。
色つやの綺麗な茶色い髪をしたジャージ姿は、たしかジムトレーナーの女の子だ。
上背はないものの屈強な体格をしているのは、たしかスタントマンの男だ
私とタンクトップは、2人の男女にも声をかけた。
オーディションに落選した者同士、
私たちには連帯感が生まれていた。
少し立ち話をしたあと、私たち4人は共に駅へ向かった。
そのあと、離脱したスタントマン以外の3人は梅田でランチをすることになる。
タンクトップでムキムキな男は、梅田の街に慣れていないようで粗相を繰り返す。
間違えて女性トイレに入り、女子トイレ内でおばあさんに「間違えてるよ」、と指摘されたり、
キョロキョロと歩いて歩行者とぶつかったり。
ただのムキムキだと思っていたが、彼の愛嬌ある姿に、妙な安心感を覚えていた。
昼飯を探していた私たち3人は、「甘いケーキ物が食べたい」と言ったタンクトップの発言を受けて、カフェに入店した。
昼飯がケーキというのは少し不自然だが、これもまた一興だ。
年齢も、仕事も、住んでいる場所も全く違う私たち3人は、
恋愛の話、仕事の話、など、あらゆることを話した。
3時間ほど話しているうちに、ムキムキと事務トレーナーの女の子の情報が判明したわけだが、このことは私に危機感を抱かせるには十分すぎる情報だった。
2人の余りのハイスペックさに私は、2年下と嘲っていた後悔を通り越して、敗北感に打ちひしがれた。
ざっと、彼らのスペックを列挙していこう。
ムキムキは京都在住の22歳だ。
私の3歳年下なのだが、初見では27歳ほどに思えた。
黒く焼けた肌が良く似合うほど逞しくて、精悍な顔つきをしていた。
はちきれんばかりの筋肉にもかかわらず、体型はスリムに維持されていた。
まさしく男の中の男という体型だ。
仕事は鳶職で、休日は少ない分、月給の手取りは月によっては50万円ほどになることもあるらしい。
中卒で働いていることもあり、7年の経験があるので給与も多いようだ。
鳶職というのは、建設現場にて作業現場の土台を作る仕事だ。
鳶職が足場となる土台を作るから、大工も左官も作業ができる。
繁忙期は、朝の4時起きで9時ごろに帰る。そんな生活を毎日続けているようだ。
車はスポーツカー、車はゼットを所有し、
スポーツは万能で、バレーボールで全国大会に出場したこともある。
当たり前のようにタバコをふかす姿も様になっていた。
20歳のスポーツジムの少女もハイスペックだった。
金と茶が混ざった鮮やかなショートカットに、キリっとした目鼻立ちをしていた。
20歳とは思えないほど、しっかりしていて、気が強いところが推し量れた。
元々雇われトレーナーだったようだが、昨年から自宅を改修して独立したらしい。
プロ野球選手やサッカー選手とも関わりがあり、具体的な収入は言っていなかったが、富裕層を顧客にしている様子などから、月収40万円は下らないだろう。
何より、独立してから仕事が楽しいと言っていた。
まさに人生を謳歌している、そんな様子だった。
カフェで話し込んだあと、私たちはヨドバシカメラへ向かった。
そして、そのビルでウインドウショッポングを始める。
このあたりから少女の態度が急変する。
私がムキムキのハイスペックに気付いたのと同じように、彼女もそれに気付いたのだ。
少女は露骨に、ムキムキに話しかけ始めた。
まるで私など、いないかのように。
ムキムキと少女が二人並んで歩き、その後ろにちょこんとついていく私。
ドラゴンクエストのように一列になるわけでもない。
この構図は、まさしく、カップルについていく他人だった。
ここで私は空気を読んだ。
元々、そろそろ帰りたかったこともあり、
「俺、そろそろ帰るわ」と二人に告げたのだ。
この言葉を聞いて、少女が少しほくそえんだことを感じた。
2人は梅田駅まで、私を見送ってくれた、
来年のオーディションでまた会おうと告げて、私は改札を通った。
ふと後ろを振り返ると、少女が軽快な足取りでムキムキにくっつきつつあった。
【SASUKEを経て学んだこと】大卒至上主義の改め、
SASUKEのオーディションで出会った男女と意気投合し、話し込んだ結果、様々な思いが生まれてきた。
私は、大きく息を吐き出し、ムキムキと自分との差を考えた。
差、どころか、コールド負けだった。
彼はとにかく余裕と風格があった。
身長は私と同じだったが、筋肉の量は比べ物にならなかった。
タバコの吸い方も、負けた。
私は一本タバコを吸うと、少女になんか吸い方がカッコ悪いと言われる始末だ。
奢り方も負けた。
カフェでの支払いの際、ムキムキはいの一番に5000円を差し出したのだ。
そのあまりの速さと潔さに驚かされた。
また、私の唯一のアイデンティティ、車があるということさえ負けていた。
彼はかっこいいスポーツカーに乗っていた。
私は、燃費を意識した大衆車だ。
シンプルに何も勝てなかったんだ。
ルックス、収入、体力、魅力、異性からの評価。何も勝てなかった。
完敗だ。
私は、4か月前、9年半追い続けた女性を1歳年下の野郎に奪われてしまったわけだが、今回は3歳年下に完敗だ。
いや、年下だけに限らない。
同級生や親友にも負けている。
私は今、人生というレースで周回遅れになっているのだ。
何よりショックだったことは、私が今日まで自分の支えにしてきた学歴志向、大卒至上主義が根本から破壊されたことだ。
少なくとも、現代社会は大学に行くことが当たり前という風になっている。
大卒の方が収入が多い、仕事も多い。
だから大学には行くべきだ。
私もそう思っていた。
だからなんとなく勉強をして、そこそこの大学に入って、そこそこのところに就職した。
受験や就活は第一希望に通ったので、失敗したはずではなかった。
しかしどうだ。
今、私は現状を不甲斐なく思い、転職しようとしているじゃないか。
薄給、転勤への不安、仕事自体のつまらなさ。
こんなつまらん人生でいいのか?と、思っているじゃないか。
今日出会った二人は、中卒と高卒だった。
しかし、彼らは年下にも関わらず、私の3倍以上の月収を稼いでいた。
さらに少女はとてつもなく自由に働き、人生を楽しんでいた。
私が侮っていた、中卒や高卒に、完敗しているのだ。
大学に行くということは本当に最適解なのだろうか。
私は両親に払ってもらったものの、大学の莫大な授業料、そして奨学金。
中卒や、高卒、学歴じゃない。
本人の努力次第だ。
そういうふうに思えた、それは今日の大きな収穫だった。
負けを認めよう。
私は、今日出会った中卒や高卒よりも、あらゆる劣っている。
もちろん悔しい。
ただ、負けたままでは終われない。
オセロの勝ち方と一緒なのだ。
序盤は相手に多く取らせればいい。
25歳、人生はまだ序盤だ。
多くの時間は残っていないが、まだ逆転できる。
この悔しさをバネにするしかない。
まず、体格を作らなくてはならない。
マジでむきむきになろう。顔じゃない。
米を食べよう。1日4~5食だ。
体重を増やさないと始まらない。
そして、再度SASUKEのオーディションに出場して次は合格してやる!!!
貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!
当ブログ「徒然道草」は「人生はRPG。喜劇も悲劇も道中を楽しむ。全てエンタメに昇華し面白き世へ!」という意気込みで運営しています。秋本治氏の漫画・こち亀のように,コメディ,サブカル,仕事,雑学,ノウハウ,自己啓発など様々な内容を投稿中!(小説家として電子書籍も出版!)
「学歴、年収、結果、出世、結婚…」 常識や世間体、既定路線の資本主義競争、昔の私は結果にこだわっていました。そんな中、とある退職が転機になり人生観が180度変わりました。 「やらなきゃいけない!」なんてない。
※ブログ運営人、私の自己紹介は姉妹サイトにて記載しております!
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ただ、今この瞬間を楽しむ。それが俺たちバグジー親衛隊に登場する人物。おバカなことも全力で生きるとなぜか楽しくなる。そんな魂を届けます。
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④徒然道草~道中を楽しむ 当ブログの音声解説や楽曲を発信するYOUTUBE
⑤エンドビギニング 筆者が2020年にAmazonで発売した電子書籍
⑥道楽舎 道草を楽しめ-人生を謳歌し自分にしか出せない価値を生み出す
⑦道楽創造党 日本の未来を切り開く公約と方針を発表します!【アフェリエイト案件のご紹介】
1⃣お名前ドットコム
当ブログはGMOグループの“お名前.com”で独自ドメインを取得しXサーバーで運用しております。”お名前.comドメイン”を取得する際には「Whois情報の公開代理を利用する」にチェックを!2⃣街コンパーティー
私の得意なエッセイジャンルに恋愛系の文章があります。私も何度か婚活イベント-フィオーレパーティーに参加したことがありますので紹介の申し込みページを設置させていただきます。
3⃣DODAエージェントサービス 転職サービス
私は国家公務員からキャリアをはじめて、合計4回転職した転職マニアです!その際に様々なサービスを使いましたが、業界大手のDODAでも大変お世話になりました。
4⃣不動産業界を専門にした転職支援サービス【宅建Jobエージェント】
資格の重要性を実感し、2022年宅建士を取得しました。
その際、宅建Jobエージェントという転職支援サービスのYOUTUBE動画で勉強しておりましたのでこちらも紹介させていただきます。